既に彼女は自分

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既に彼女は自分

自分の息の掛かった人間を多く入社させていると言うが・・・・。
その一人があの秘書の緑川かおりだった。
類は全く興味が無かったが・・・。どうやら類を誘惑するように
言われてるようであの手この手と色々仕掛けてくる。
それが面倒で、品川にどうにかするように言ったのに
品川は相手の懐に飛び込んで、色々情報を掴んで欲しいなどという
口車にまんまと乗って、悪ふざけが過ぎたのか・・・。
社内でもべたべたして来るようになったが、米沢常務の事も色々と
情報をくれるので仕方なしに相手に合せていた。
そうなると、緑川は何を勘違いしたのか自分が類の恋人でもあるように
振る舞う様になる、品川の作戦で暫くは緑川に合せていたが、
そうあの朝も・・・。突然早朝に米沢常務の事で相談があると言われて
執務室に押し掛けて来た緑川に、無理やりキスされた処を牧野に見られてしまった。
その後も、教えて欲しければ仲が良い振りを続けてくださいという緑川に翻弄される事になる。
品川が、米沢常務を油断させる為にも社内でも、恋人の様に振る舞う様に言われたが限界だった。
だが、つくしへの嫌がらせは許せなかった・・・。あのドレスやバック、靴も
類本人が態々つくしの為に選んだものだった・・・。そしてそれをあんな風に
めちゃめちゃにした緑川を許す事はもう出来なかった。
あの日の類の怒りを収めるのは大変だった。
品川は牧野つくしが、類の想い人だと言う事を知っていた。
類が本気なのはずっと傍に居た品川には良く分かった。
殆ど女性に対しては、本来の笑顔を見せない類が
唯一つくしに対しては本物の笑顔で接している。その違いが分かるのも品川だからこそだ・・・。

高校の3年の時にある女性を追いフランスに旅立ちそのまま向こうで
暮らす筈だった類が半年後に一度日本に戻った事も聞いている。
静とは結局姉弟のような関係から抜け出せなかったらしい・・・。
静の方も仕事や勉強で類との恋に時間を使う間もなく元々類に恋愛感情は無く
弟の様に想ってた静は、類にはいつも優しい姉であった。

類は気付いたのだ自分が本当は誰が好きなのか・・・。
つくしが自分を好きだと類は知っていた。でも好きな類の為に静に土下座までして
静に類の傍に居てくれと頼んだつくし。そして空港で自分の気持ちを抑えて
類に静を追う様に言ったのだ。その事がずっと心の中にあった。
だから、静を追いフランスに行ってもつくしの事ばかり考えて静といても
楽しめなかった。その事を静に指摘された。
「類は牧野さんが好きなんだと想うわ.フランスに来てから類は牧野さんの話ばかりをしてるもの
私は類のお姉さんにしかなれないわ。類を弟としてしか愛せない。
類日本に帰って、牧野さんに気持ちを伝えなさいよ。さあ行きなさい。今までありがとう類。」
「うん、そうだねありがとう、静。」
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